人気ブログランキング | 話題のタグを見る

パオのパン生活

paomama.exblog.jp
ブログトップ
2006年 10月 10日

パオのドンちゃん

昨日、16歳になるドント(柴犬の雑種)が死んだ。ここ数年は年をとったのか、年中昼寝をしていて本当に近くに行かないと気がつかないくらいだった。散歩に連れて行っても途中でくたびれてしまうし、「もう年だからなぁ・・・」と夫は言っていた。昨年は免疫力が落ちていたのかマダニが大量に体について病院通いをした。顔が童顔なので年よりという感じがない為、私達もあまり気をつけていなかったのがよくなかった。一週間前に急に体調を崩してぐったりしていた。夕方あわてて病院に連れて行ったところ39,5度の高熱でぐったりしていた。抗生物質を注射してもらって、一晩寝るとずいぶん表情が出てきて、少しご飯も食べた。2~3日は自分で水も飲むしご飯も少し食べるので、少しだけ排尿の為に散歩も連れて行った。

ところが、また4日前くらいから何も食べなくなり、寝ているだけになっていった。便も尿もたれ流し。毎日バケツにお湯を入れてドントのお尻を洗う。目は相変わらくりくりしているので、そこまで体調が悪いとは思わなかった。お肉を焼いて差し出しても、鼻がピクリともいわない。水も自分で飲まない。脱水症状が怖いので、プラスチックの調味料ケースを買ってきて、口に差し込んで水を流すとごくりと飲んだ。

病院に連れて行っても点滴のみ、症候状態だ。

一昨日の夜中「ひーひー」と苦しそうな声で4回私と夫は起こされた。
のどが苦しいのか、水を口に押し込むとゴクリと飲んで、静かになった。
数回繰り返すうちにふと、「もう、死んじゃうのかなぁ・・・・」と感じる。

翌日、相変わらずぐったりしていた。お天気がいいので玄関先に寝ているドントのドアを開けると陽が入ってきて暖かそうだったので、分割の補佐でお店に行き来する間、ドアをあけておいた。祭日ということで子供達は3人共家にいて、お店に入るとそのまま仕事をしていた。6年生のみりから「ドントがお漏らししてるよ。」と電話をもらい10時頃戻り、汚れ物の始末をしてから頭を玄関から外に出して水を含ませた。数回ゴクリゴクリ、と飲むとポカポカとした日差しが気持ちいいのか、うとうと・・・・と珍しくマブタが半分とじぎみになった。このところいつも目は見開いていて、視点が定まらないことも多く。気持ちがいいのならこのまま・・・、と思ったけれど直射日光は疲れるだろうと、玄関先のベットに戻した。

6年生のみりはすでに遊びに行っていて、3年生の哲と5歳のちかがテレビを見ながら、一人はゲームをやっていた。「お母さんはお店に行くからなんかあったら電話してね。」哲に伝えてお店に戻る。

少しして「ドントが変な声でないているよ。」と哲から電話。

急いで自転車で戻ると門の外まで聞こえる声で「ひーひー」と一昨日の夜中のような声で鳴いていた。急いで様子をうかがい、急いで水を含ませると一瞬、尾っぽがふっと動いた。「尾を振るなんて事は出来ない状態なのに・・・」そう感じた瞬間、後ろ足がビクビク痙攣しだした。

「あっ!ドンちゃん!死んじゃうの?」そう感じた。
「てっちゃん!ドンちゃん死んじゃうよ!」テレビの前の哲を呼んだ。さらに痙攣は激しくなり、頭をなでている私の手の中で苦しそうに「はーはー」と強く息をした。
「ドンちゃんが死んじゃう!」そう言葉に出した数秒後、ドントは私の手の中に頭をもたげて動かなくなった。

「ドント・・・・」声をかけて、お腹をさわってももう動いていない・・・・・。
「ドンちゃん死んじゃったね・・・・」まだ体は温かい。目はひらいたまま。そっと何度も頭とマブタをなぜていると少しずつマブタが閉じてきた。大粒の涙がボロボロと零れ落ちてきた。隣にいる息子の目からもボロボロと涙がこぼれ落ちていた。

16年間一緒にいた。今、そばにいる3人の子供達より長く一緒にいた。もともとあまり動物好きではない私はドンとに対してたいしたことはしてあげれていなかった。けれど、最近は唯一ご飯をくれる私に一番なついていたのか、仕事中に何度も家に戻ると大きく尻尾をふっては喜んでくれていた。

「僕達がちゃんと見ていなかったからドントは死んじゃったんだ!」わーと哲が号泣した。
「違うよ・・・てっちゃんは学校に行っていて知らなかったかも知れないけれど、ドンちゃんは具合が悪くて病院に何回も連れて行っていたんだよ。」ボロボロ涙がこぼれてくる。
「もうドンちゃんはおばあさんだから仕方がないんだよ。心臓がかなりよわっていたんだって。」

ドントの頭をなぜながら「いつもお留守番ありがとう。今度生まれてくるときにはおうちの中で飼ってもらえるワンちゃんに生まれ変わりな。」そういいながら、裏のパン屋の時期にドントはたくさんのお客様に声をかけられていたことを思い出した。
外で飼っているので決してきれいとはいえないのに犬好きさんがいつもなぜてくれた。数年前にいたパートの陽子さんは帰り際いつも「な~に、ドンちゃん」とい抱きしめるようにかまってくれていた。

私達はパンを焼き始めて、パン屋をさせていただいて、子供にも恵まれて幸せなのだけれど、ドントも私達がパン屋になって裏で7年間パン屋をしていた間「幸せだったんだ!」そして今、引っ越してお店は表通りに引っ越してしまったけれど、広い庭に長く綱で繋がれながらも自由にあっちこっちと移動して、お天気のいい日はのんびりお昼寝をして・・・・。時折パオのお客様が犬の散歩ついでに立ち寄っては「ドンちゃん元気?」なんて声をかけられていた。

ドントに100%の愛情で接していたかというと、そうではない。だから切ないのだろう。
もっと「ああしてあげればよかった。こうしてあげればよかった。」と思うのだろう。今、出来ることを今しないでいると切ない人生になってしまうんだろうなぁ・・・。

ドンちゃんが死んで数日たって、相変わらずお店と家の往復の日々が始まる。けれどもうドンちゃんはいないから「鍵はきちんと閉めたかな?」「門もしめて!」なんてドンちゃんにいかに家を守っていてもらっていたかと思うとやっぱり切なくて、もういないドントの小屋を見ると胸が詰まる。

今もこうして文章を書いているとやっぱり、切なくてボロボロとこぼれてくる。

夫や子供達に私は何をどこまでして上げられているのだろう?わがままな私は夫や子供達、スタッフにしっかりサポートされてる。そんなことを感じさせてくれました。
ドンちゃん長い間、私達と一緒にいてくれてありがとう。パオのドンちゃんでいてくれてありがとう。

by paomama | 2006-10-10 08:32 | 天然酵母パン


<< 3丁目のの石川さん      お客様の個展 >>