夜中1時半、電話がなる。
我が家の電話は先方を音声で言う。
「千葉県からです。」
はっと目覚め、
義母から?
飛び起きた。
電話に出ると、
「ゆりさん?何だかんだか、お父さんが息してないみたいなんだど・・・来れる?」声が震えていた。
「すぐに行きますから!」
夫を起こして、まだ起きていた次女に伝えて、支度して夫と車で出かける。
夜中にひとり、父を看取った母の心情を思うと涙が溢れてくる。
「やっぱり、家族は一緒に暮らす方がいいよね。」私が口を開くと、
「約一ヶ月だな。思いの他、早かったな。」
実家までは車で10分もかからないから近くではある。
夜中だから車も少なく、
瞬く間に到着。
母はタオルを片手で顔を覆いながら、
「いつもなら、夜中ずっと腰が痛い痛いって言うから、ずっとさすっていてね、でも夕べは痛いって言わないのよ。
でも、体も暖かいし、おかしいなぁ…って思ってたら、息してないみたいで、お父さんって呼んだんだけど・・。」
溢れる涙をしきりにタオルで押さえながら話す母。
小柄な姿がさらに小さく見える。
見ていて切なく、潤む。
亡くなってからも、しばらくさすったり、声かけしていたかと思うと切なく、胸が詰まる。
父に桜を見せたかった。
私は父にありがとうを言えてなかったのに。
お父さん、今年も新坂川の桜は満開です。