パオのパン生活

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2016年 12月 26日

皆川さんのシュトレン。

パオが始めてシュトレンを焼いたのは、18年位前の事。
シュトレンのレシピを集めたり、有名店のシュトレンを買いにいったり。
試行錯誤していた。

当時は、孝明くんと言うスタッフがいて。
彼と、他のパン屋で働いていた長女と子供達を連れて、車で出掛けた。

桜新町のブロードハイムとムッシュソレイユ。


山のようにパンを買い。
勿論お目当てのシュトレンも大きいサイズを買ってきた。


シュトレンは食べた事が無い。

砂糖がかかっていて甘い。
と言うのがイメージでした。

始めて口にするシュトレンは、フルーツが入っていて。
とても味わい深い。


そして、始めてパオで作ったシュトレンは。
一般のシュトレンのように、粉糖をつけるつもりでいたのだけれども、
オーガニックの粉糖が無くて。
とりあえず、ダイエーで買って来たのだけど。
舐めると、薬っぽい?

当時はバリバリの自然食ベジタリアンだったので、化学的なものや添加物には敏感で、とてもシュトレンには使えないと判断した。

そこで、夫が「きび糖を使っている店がある。」と言い。
直ぐにきびと糖を買って来て、それをシュトレンにまぶした。


考えは成功!
パオらしいシュトレンが完成した。


シュトレン完成から、二年目の頃だっただろうか?
江戸川区から、自転車でパンを買いに来る皆川さんがパオに来はじめた。

孫が生まれて、添加物の入らないパンを食べさせたいと言うことから、雑誌でパオを見つけたそう。


月に何度も、自転車で来てくれるようになり、
クリスマスの時にシュトレンを買ってくれました。

その後もシュトレンの時期は必ず二つは買ってくれていて。
とてもいいお客様でした。



その後、孫家族と同居するために、神奈川県に二世帯住宅を建てたからと、
引っ越していったけれど。
毎年、シュトレンの時期は必ず注文をしてくれました。

大きいのを二つ。
そして、クリスマス直前にまた注文をくれて。
とにかくシュトレンが大のお気に入りになったようでした。



シュトレンは、毎年微妙に変えていて。
夏が終わると、シュトレンの研究を始めていた。


12年位前の事。
良かれと、今までとは全く違うシュトレンを作った。

お店のお客様には、それはそれで好評で。
皆川さんからも注文が入って、そのシュトレンを送った。

すると、いつもなら二回は注文が来るのに、その電話が無い事で。
電話をしてみると。



本当は、言わないつもりだったのだけど、
今回のシュトレンなら、もうパオでは買えないと思っていたんだと言う。


皆川さんは、パオのシュトレンが生まれて始めて食べたシュトレンで。
こんなに美味しいものがあるのかと、全国のあらゆるシュトレンを取り寄せて食べたと言い。

そんな中、パオが一番だと言ってくれて。

奥さんが電話をくれたから言うんだけど、年よりの戯言と聞いて欲しい。
老舗の味ってあるように、パオのシュトレンは、まさにそれで、絶品だと。

とにかく年よりの戯言だからを繰り返した。



その話をそのまま夫に伝えると、
夫のシュトレンに対する迷いは消えて、このままでいいんだ。
少しでも美味しいシュトレンをと、研究しすぎていた事に気がつかされて。


それならばと、直ぐにいつものレシピでシュトレンを作って、皆川さんに送った。

すると、直ぐに電話がはいり、
まさに、これだ!
パオの老舗の味だよ。
と、さらに注文を下さった。


毎年、シュトレンの時期は二回は注文が来るようになりました。



ある、シュトレンの時期に皆川さんの電話が入らない事から、
私が電話をしてみると。


7月に肺癌で亡くなったと言う。



お父さんは、パオさんのシュトレンがとにかく気に入っていましたからね。
けれど一人の客なだけで、亡くなったのを知らせるまでも無いと思っていました。
わざわざありがとうございます。
と伝えられました。



なら、と。
お礼の手紙とシュトレンを送り、
今のシュトレンがあるのは皆川さんの言葉があったからだと伝えました。




それから、迷いなくシュトレンが作れるお礼として、毎年皆川さんにシュトレンを送っています。

今日のシュトレンをブレル事なく作れるのは、皆川さんのお陰です✨






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by paomama | 2016-12-26 04:53


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