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パオのパン生活

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2016年 04月 10日

フランスパンの話

18年前の話になります。
夫がまだ、フランスパンを作ることが出来なくて試行錯誤していた頃。

近所に「アンブロージャ」というイタリアンレストランがオープンしました。
工事の大工さんから美味しいと聞いたからと、オープニングのパーティーのパンを予約しに奥様が来たくれたことから始まりました。

パーティーに来たお客様が、とにかくパンが美味しかったと大好評だったと伝えられ、その後も時々フランスパンを買いにみえた。


まだまだパンは不安定で、フランスパンに憧れながらも、なかなか上手く出来なくて失敗を山にしていた。
通常の仕事の他に、フランスパン生地を仕込み、仕事とは別にフランスパンの研究をしていた。

そこで、これを機会にアンブロージャさんでパオのパンを使って欲しいとお話しした。交渉は成立。昼にブール、夜にフランスパンを出す事になった。
フランスパンはまだまだ完璧とは言えない状態の時。
でも、ただ研究しているよりもレストランで出されると思いながら研究するのでは緊張感が違うと考えた。

フランスパンを仕込む毎日か始まった。
たった一本のフランスパンの為に仕込む。
そして、一番いい出来のフランスパンを手渡した。

レーズンから起こした天然酵母と国産小麦と塩だけ、コンスタントな仕上が難しく出せない日もあった。
どこがどうなのかも解らない手探りの時代。



アンブロージャさんのお子さんと、私達の子供たちと歳が近く保育園が一緒で、奥様とはいろんな世間話をしたり、夫の事を愚痴ったりいいお付き合いをさせて頂きました。
味も最高で、パオのパンとの相性も抜群。


このところ季節が不安定なので、夫はフランスパンに手を焼いている。
最近ではまれなぐらい、不安定。
良くないフランスパンを見ると当時を思い出します。




その後、移転などで生産量が増え、いろいろな問題が発生してお付き合いは終わってしまったけれど、パオのパンの成長の過程で支えてくれたアンブロージャさん、感謝の気持ちは今も同じです。


その節はありがとうございました。
フランスパンの話_a0072505_21354822.jpg

最近では、当時アルバイトでホールをしていた正夫ちゃんが、結婚して子供が出来たのをきっかけに、奥様や正夫ちゃんがパンを買いに来てくれます。
それもまた、嬉しい限りです。

by paomama | 2016-04-10 20:54


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